長期間保有するならVIGの分配金利回りはそこそこ高い

VIGの2021年の分配金利回りは1.88%です。(2021年初の価格が$141.61で年間分配金が$2.66)

これだけ見るとしょぼい利回りです。配当だけで元を取ろうと考えると53年以上かかる。しかし増配株式ETFと名乗ってるだけあって毎年増配しています。


・2007年初に$54.23で購入したとして、分配金と増配率の推移

分配金 増配率
2007 $0.87  
2008 $1.03 17.53%
2009 $0.98 -4.58%
2010 $1.05 7.05%
2011 $1.17 11.83%
2012 $1.41 20.31%
2013 $1.39 -1.56%
2014 $1.59 14.19%
2015 $1.82 14.76%
2016 $1.83 0.38%
2017 $1.92 5.09%
2018 $2.04 6.20%
2019 $2.13 4.71%
2020 $2.30 7.64%
2021 $2.66 15.85%
幾何平均 8.5%

※幾何平均にしている理由は単純な平均にした場合、例えば-20%→+25%となった時、平均2.5%の増配と計算してしまうから。減って戻っただけなのに。


今後も幾何平均くらい伸びると仮定して分配金をプロットするとこんな感じになります。
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このペースで配当が増えていくと、2007年に$54.23で買ったVIGは2029年に配当だけで元を取れます。その期間の平均配当利回りは4.35%。

2021年に$141.61で買った場合、配当が予測値通り伸びるなら2042年に元が取れる計算になります。平均配当利回りは4.55%。

ただしこれはちょっと希望的観測すぎるのではという気がしています。

VYMで同じことを計算する

VYMでも同じように分配金の実績と予測をプロットしてみます。
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2007年に$51.96で買ったVYMは2027年に配当だけで元を取れます。その期間の平均配当利回りは4.76%。

VIGより早く元が取れるのですが、2009年と2010年にリーマンショックの影響でガッツリ減配されています。

長期で考えるならVYMはちょっと怖いです。

こんな机上の計算通りに行くのか

このグラフでは配当が複利でガンガン増えていく予想ですが、現実世界でそんなに都合よく行くのかな。

資源が無限にあって、出生率が高い世界じゃないと無理なのではと思えます。


そこで成熟株の代表として、59年間ずっと増配中のコカ・コーラ社で同様のグラフを作ってみます。
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2000年くらいから平均を上回って伸びていますが、2015年くらいから鈍り始めています。これで今後予測値のように伸びるかと言われたら無理だと思います。


VIGも成熟企業の割合が多いので、ずっと今の増配のペースが続くと考えるのはちょっと無理がありそうです。

それでも基本的に毎年増配されるので、長期で持てば利率が良くなるのは間違いないはず。


・データの引用元
finance.yahoo.com